花べっぷを支える人々

  • vol.3 卜部(うらべ)松義さん(食の友 代表)

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    花べっぷで提供されるお米は佐伯市の卜部さんから届く、完全無農薬米。卜部さんは農業の道へ進む以前は農機具を販売する会社に務めており、10年程地域の農家さんに技術指導を行っていたのだそう。「それだけじゃ段々物足りなくなってな。しまいには会社を辞めて、自分でするようになった。やっぱり、農業の方が面白ぇわと思ってな」

     

     

    指導員時代、考えさせられる出来事があった。虫の被害に困っているお客さんに「田んぼに海水をいれてはどうか」とアドバイスをした。「そしたら、『あんたうちの田んぼ枯らす気か』ってな。初めてお客さんが怒った。新しいやり方は、伝えて行くのが難しい」肥料を混ぜると土は酸性になる。それを中和するためにアルカリ性の海水を混ぜれば、虫が来なくなるはず。そう信じて卜部さんは退職後、自分の田んぼでそれを試して成功させた。問題点は、収穫量が減ってしまうこと。その点を克服するために、肥料として海藻を導入した。「ところどころ緑色に見えるのはアオサな」肥料が納められている倉庫には、磯の香りが漂っていた。

     

     

    次に困ったのは、雑草。米にいい肥料は、草にとってもいい。頭を悩ませているところ、「ヘアリーベッチ」という草に出会った。「この紫の花を付けている草な。これが雑草の抑制効果があるんよ」6月に始まる田植えを前にして、田んぼには紫色の花がたくさん揺れていた。

     

     

    困難にぶつかる度に、試行錯誤しながら乗り越えて行く。卜部さんが無農薬にこだわる理由を聞いてみると、「自分の子には、元気な子を産んでほしいやろ。それが動機やな」。卜部さんの志や農法に賛同する仲間は、現在約50名。「良いやり方は、周りにどんどん伝えて行かんと、と思っている。米は出来たから、次はどうやったら野菜を完全無農薬に出来るか。そのことで今は頭がいっぱいやわ」卜部さんのチャレンジは、まだまだ続く。