花べっぷを支える人々

  • vol.2 田原敬司さん(田原ブロイラー)

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    「コケコッコー」

    坂道を上がっていくと、元気な鳴き声が聞こえてくる。別府の中心地から少し離れた山の中、澄んだ空気に包まれて鶏たちが手塩にかけて育てられている。

    「元々は林業をやっていたんだけど、天候に左右される仕事でね。もっと安定して、家で出来る仕事がいいなと思って始めたくらいの気持ちだった。それがだんだんのめり込んじゃってね。失敗も多かったけど、頑張ったなぁ」と笑う。

     

     

    ピークの時は別府市内に養鶏場が40軒程あったが、現在は田原さんの所1軒だという。

    続ける秘訣は、常に変化を求めていくこと。15年程前には「赤鶏」を導入し、続いて花べっぷでは鍋料理として提供される「冠地どり」を手がけるようになった。「冠地どりは、鍋にすると本当に美味しい。食べたら、『あ、いつも食べる赤鶏と違う』と思った。旨味成分が多いんでしょうね。スープもしっかりと出る。烏骨鶏の血を継いでいるから、煮込む料理に適しているのだと思う」

     

     

    通常90日程で出荷するところを、田原さんのところではそれ以上、最長120日まで飼育する。以前は90日で出荷していたが、ある時それ以上飼育した鶏を出荷したことがあった。すると、「今回の鶏はいつもより美味しい」という声が相次いだそう。「あ、長く飼うた方が美味しいんや、と思った。それからだね」

     

     

    「 同じ物を食べてもらうなら、 ちょっとでも「美味しい」と言って欲しい。だから、手間がかかっても長く飼う。そこは変えることのできない、私のこだわりだね」と田原さん。 案内してくれた鶏舎の中では、平飼いされている鶏たちが、のびのびと過ごしていた。