花べっぷを支える人々

  • vol.1 大谷健一さん( 別府竹製品協同組合青年部長)

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    エントランスをくぐると、別府竹細工で出来た大きなパーティションが迎えてくれる。
    花べっぷオープンを目前に控えた昼下がり、
    10 人程の竹職人が真剣な眼差しで最後の仕上げに取り掛かっていた。

     

     

    「やたらめったら編み進めることから『やたら編み』と言われるんです」穏やかな笑顔を浮かべるのは、
    総指揮を務める竹職人の大谷さん。「通常竹職人は各々が作品を作るため、
    このように大人数で何かを作り出すのは珍しいんです。
    しかもこの規模のものは、ホテルの中にはなかなか無いですからね。最初は試行錯誤でした」と振り返る。

     

     

    縦横無尽に編まれた、1万本を超える竹ひごが生み出す立体感。
    時間の経過とともに移り変わる光を優しく受け止め、その時々で空間の印象を変えていく。
    パーティションの内側に入ると、まるで大きな竹カゴの中にいるような感覚に包まれた。
    暖かくて心地良く、どこか懐かしい。「竹は昔から人の側にあったものですからね。
    生活にとても密着していたものなんです」元々造園の仕事を北海道で行っていた大谷さんが、
    竹細工の道を選んだ理由もそこにあるのだそう。「生活に密着したものを作りたかったんです。
    いざ始めてみると思い通りにやるのは難しい。けれど、それが楽しいんです」と笑う。

     

     

    宿泊客に寄り添うように、館内のあちらこちらに設置された竹細工。
    「竹に触れる機会は少ないと思うので、是非花べっぷで身近に感じて欲しいですね」大谷さんに促され、
    パーティションにそっと触れると、指先から竹の滑らかさと温もりが伝わるようだった。